さくら葬祭の取り組み

2017.02.07

首都圏における「音楽葬」への取り組みに関しての実践報告

首都圏における「音楽葬」への取り組みに関しての実践報告

2017年2月4日~5日

第24回日本ホスピス・在宅研究会 全国大会が久留米市で開催されました。

 

 

弊社代表の近藤がポスター発表で筆頭研究者になり「音楽葬の研究」発表を行いました。

 

 

発表の内容は下記の通りです。

 

【はじめに】

先行研究では、葬儀が地域共同体が行う社会的儀礼から、私的な家族的儀礼に変化し、家族葬など故人と 家族のお別れを最優先した葬儀が重視されていること、各葬儀社のメニューへの依存が高まっている点が 言われている。株式会社さくら葬祭 ( 東京都町田市 ) では、グリーフケアに寄与すべく「その故人らしさ」 を表すことができる葬儀形式として「音楽葬」を提案し、先駆的取り組みを行ってきた。

 

【研究目的】

本研究では、「音楽葬」の定義を「宗教者(司式者) の読経などの宗教儀礼の代わりに生演奏を取り入れる葬儀」とし、「音楽葬」を選択したケースの基 本的背景と提供された楽曲について分析を行ない 現状を明らかにする。

 

【研究方法】

平成26年4月~平成28年9月に、株式会社さくら葬祭が対応した東京都・神奈川県・埼玉県・ 千葉県の対応ケースについて抽出を行い、故人および喪主の基本属性及び信仰する宗教、演奏された音楽の曲調・調性・拍子に関する分類を行った。

 

【倫理的配慮】

研究データは、研究責任者が連結可能匿名化して研究に使用する。匿名化の対応表及びデータは、研究責 任者がパスワードを設定したファイルに記録し、USBに保存して、鍵の掛かるキャビネットに3年間保管する。

 

【研究結果】

音楽葬は580件中64件で全体の11%を占め、故人の男性が57.8%、女性が42.2%で、平均 年齢は57.6歳だった。また音楽葬はキリスト教・神式・その他の儀式を上回っていた。音楽葬を自 ら希望したケースは、音楽葬を選択したうちの21.9%で、葬儀全体では2.4%だった。他のケースは、 葬儀担当者から音楽葬の情報提供後に自己決定していた。演奏曲総数は、447曲で短調が33.5%、 長調が66.5%で、4分の4拍子は全体の69.1%であった。音楽葬が選択された全てで、菩提寺をはじめ、特定の宗教者との付き合いがなかった。

 

【考察】

本研究より、グリーフケアとしての喪の作業に、音楽葬が一定の割合で選択されている状況が明らかになった。音楽葬で採用される曲はメージャーな曲で通常の拍子であるものが多く、「故人を明るく送る」「頑張って生きてきたので最後は明るく」との考え方から来ていると想像される。打ち合わせでの依頼者からの要 望もある。一方、マイナーな曲が33.5%あり、曲のバリエーションを求め、葬儀を厳粛に執り行いた いという心情も伺える。 葬儀に対するイメージが「暗く、悲しいもの」に限らず「明るく、ねぎらうもの」としても捉えられていることが示唆された。

 

【結語】

音楽葬を体験したケースの事後調査として、葬儀後の生活場面で同じ音楽を聞いた時に与えている心理状態など、グリーフケアと音楽葬の関連について継続研究を行う必要がある。

 

 

フロアからは多くの質問をいただき、たいへんな盛り上がりでした。

 

 

さくら葬祭の取り組みのひとつである「音楽葬の研究」はスタートを切ることが出来ました。

 

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