終活と在宅医療

2017.01.21

お看取りの手引き~お別れ間近のケア

お看取りの手引き~お別れ間近のケア

人はこの世とのお別れが近くなると、普段とは違ったいろいろな変化がでてきます。

 

今回はそれらの変化と対処方法をお伝えいたします。

 

ご家族の方はそれらの変化に直面すると、不安と悲しみで「どう対処してよいか」戸惑われることと思います。

 

しかし落ち着いて患者さんの手を握り、亡くなるまでの自然の経過として受けとめ、これらの変化に対処していくことが大切になります。

 

変化①

手足が冷たくなったり、冷汗でじっとりしたり、手足の末端が紫色になったりします。

 

【対処方法】

人はお別れが近づくと、四肢末端の血流を少なくして身体の大切な中心部分に血液を集めて命を保っています。ですので、四肢末端の血液の循環が悪くなります。

手足を湯たんぽで暖めたり、さすってあげたりしてください。

 

変化②

眠っている時間が多くなります。また、時に目覚めが困難になったりします。

 

【対処方法】

これは、新陳代謝が悪くなってきたためです。

ご家族の方は会話ができずに淋しい思いをするかもしれませんが、無理に起こしたりせずに眠らせてあげてください。こうすることで体力を温存することができます。

 

変化③

時間や場所、名前、時として家族のこともわからないようなことを言ったりします。

名前の呼び間違い等もよくあることです。

 

【対処方法】

これも新陳代謝が悪くなったための自然の経過ですので、頭がおかしくなってしまったと嘆かずに見守ってあげてください。

 

変化④

尿や便を洩らしてしまうことがあります。

 

【対処方法】

これは、尿道や肛門を閉じる筋肉の力が抜けてしまうためです。

柔らかい紙やウエットティシュなどでやさしく拭き取ってください。

 

変化⑤

口からの分泌物が多くなったり、痰(たん)があがってきて喉の奥でゼロゼロという音がしてきます。

 

【対処方法】

この症状は体力が低下して、自分で咳をして痰を出せなかったり、身体の水分が呼吸器にたまることによるものです。綿棒でぬぐってあげたり、拭いてあげたりして、清潔にしましょう。

この時期の点滴は呼吸が苦しくなることがあるので注意が必要です。

例えるならば、枯れた花に水をやるようなものです。

 

変化⑥

身体がだるくて身の置き所がなくなると、じっとしていられず、始終手足を動かしたり落ち着きがなくなったりします。

 

【対処方法】

そういう時は背中をさすってあげてください。下肢がだるいときは膝の下やふくらはぎの下に座布団を折って入れるなどして、少し高くすると楽になります。

 

変化⑦

食欲は低下し、ほとんど物を口にしなくなります。

 

【対処方法】

氷や冷水、さっぱりした物を好みます。食べないからといって、無理にカロリーの高い物を食べさせたり、すすめたりすると、患者さんにとっては苦痛となります。

高カロリーのものを食べるには意外に体力がいるのです。

 

変化⑧

寝ているとき、急に呼吸が止まったようになり、こちらが驚くことがあります。呼吸が不規則になり、10~30秒くらいの無呼吸状態が起こります。

 

【対処方法】

これは死が近づいたときに起こる呼吸です。あまり長い間止まって心配なときは、胸をさすってあげると、呼吸が回復することもあります。

 

以上が普段とは違ったいろいろな変化とその対処方法となります。

 

また、五感の働きが鈍くなっても、聴力は最後まで残ります。

返事がなくても患者さんには声が届きますから優しく話しかけてあげてください。

一緒に過ごした楽しかったこと、患者さんのお好きなことなども話してあげてください。

 

「心安らぐ雰囲気をつくる」、それが何より楽にして差し上げることになります。

 

ご家族と患者さんの関係はまるでお母さんと赤ちゃんの関係に似ています。

 

お母さんがハラハラすると、赤ちゃんもうろたえてしまいます。

 

本当に辛い時期ではありますが、ご家族がどっしりと落ち着いていらっしゃれば、患者さんは安心して旅立つことができます。

 

どうか旅立つ命をお支えください。

 

次回は『お看取りの手引き~きちんとお別れをする』をお伝えします。

 

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