なずな日記

2018.06.26

お上のやることはめちゃくちゃ

お上のやることはめちゃくちゃ

亡くなった人の確定申告を準確定申告と言います。しなくてもいいのですが、する場合は亡くなってから4カ月以内にすることになっています。

 

税務署が「しなくてもよい」と言うのは気を付けなくてはいけません。あちらさんにはその方が有利で、こちらは損をすることが多いからです。普通、確定申告をすると、税金が戻ってきますが、死んだ人の「準確定申告」でも、税金が戻ってきます。

現役で働いていた人が亡くなった場合は、準確定申告をする必要があります。

 

私も面倒くさいから、しなくていいならするのはやめた、と思っていたのですが、税金が戻って来るなら話は別。税務署に電話をして、聞いてみました。

Q「申告用紙はどこで手に入るのですか?」

A「国税局のホームページからダウンロードするのが簡単」

Q「亡くなってから4カ月以内と言いますが、きっかり4カ月ですか?それとも4カ月後の末日ですか?」

A「きっかり4カ月です」

 

ありがとうございます、とお礼を言ってパソコンで用紙をダウンロード。

「こんなことは本当に、まったく、完璧に、おいちゃんの仕事じゃないの?!」

と、遺影にぶつぶつ文句を言いながら、申告書類を作成していきました。

 

しかし、慣れないことでどうしていいかわからないことも多く、もう嫌だ!そう思うこともありました。しかし、

「金、金のためだ!!」

と、自らを鼓舞しました。

おいちゃんが亡くなったのは7月だから11月の亡くなった日と同日までに申告しなければなりません。

10月半ば、申告書はようやく完成しました。

 

早く出せば早くお金が戻って来るかも知れないと、さっそく返信用封筒を同封の上、郵送しました。申告書控えはすぐに戻ってきました。後はお金が指定口座に振り込まれるのを待つだけです。

 

ことあるごとに口座を確認しますが、待てど暮らせど、還付金の入金はありません。

「まさか、おいちゃんが何か悪事を働いて、それが問題になって還付されないのでは?!」

そう思うと、問い合わせるのも気が引けました。

 

しかしある日、しびれを切らして恐る恐る税務署に問い合わせました。

「あの、還付金の入金がないんですけど」

出てきた職員に言うと、

「少しお待ちください」

と言って何か調べています。

「お待たせしました」

書類に不備があった。これこれの書類を郵送されたし、との説明が。

 

私の場合はちょっと一般と違うところがあったので、それを証明するための書類が必要だったらしいのです。それは「申告の手引き」にも書いていないので、門外漢の私では、言われなければわかりません。

こちらから連絡したからよかったものの、ずっと待っていたらどうなっていたでしょう?それっきり還付金は返されなくなってしまうのでしょうか?そういう場合は、そっちから連絡すべきじゃないの?。

しかし、お上に逆らっても仕方ないので、すぐに必要書類を郵送しました。

 

「年末年始に間に合えばいいな~。年越し資金、欲しいもんな~」

私には母がいますが、すでに高齢者施設に入居しています。帰る実家はありません。なので初めて一人で迎える年末年始が寂しくて、ホテルを取ったのです。一人宿泊で直前だったので、ほとんどのホテルは宿泊不可でした。やっと探したのは埼玉の、とあるリゾートホテルです。

 

しかし、還付金は年末になっても戻って来ません。還付のないまま、お正月を迎えることになりました。

「仕方ない、年末年始の支払いはカードにしよう」

 

まったく綱渡りだ。ホテルなんか取らなければよかった。でもなあ…

という訳で、年末年始は懐の心配をしながら、埼玉のリゾートホテルに泊まったのでした。ちなみにこのホテル、田んぼの真ん中に建っていました。岩風呂があって、浅間山も真正面に見えたのでまあ良しとしましょう。

 

年明けの1月4日、税務署が仕事始めになるのを待って、連絡してみました。

「あの、10月に申告した準確定申告の還付金がまだ来ていないんですが」

「お調べします」

何やらごそごそしていましたが、やけに高ビーな態度で言って来ました。

「あの~、必要書類がなかったんですよね?送っていただけましたか?」

「あの、言われてすぐに郵送しましたが」

「えっ、そうですか、ちょっと調べてみます。わかり次第連絡しますのでお待ちください」

 

しかし、何日経ってもどうなったという回答はありません。

 

またまたしびれを切らして、こちらから電話してみました。

「どうなりましたか?」

「あの~、今から手続きをしますので」

「は?今から?!」

私は頭が痛くなりました。今からって、今まで何をしていたの?

 

「すみませんが、なるべく早くしていただけますか?当てにしているんですよ、そのお金。何しろ主人が亡くなりましたので、余裕はないんです」

「はい、今からします」

すみませんの一言もありません。

 

それから2、3日経って手続き完了のはがきが届き、還付金の振り込みも確認できました。やればすぐにできるじゃないか?こいつら言わなきゃやらんのか?

これが民間だったらとっくに潰れていると思いませんか?

 

まったく、お上のやることはめちゃくちゃ!です。

 

 

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