わが罪は常にわが前にあり

わが罪は常にわが前にあり

 

人は誰も慣れないことはしたくないもの。できれば避けて通りたいけど、そうも行かないものもあります。私の場合は今の季節、母の確定申告。今回母は、ふるさと納税を利用したいらしいのです。

ふるさと納税と言えばワンストップ制だの、確定申告のときにすればいいのと、私にとってあまり馴染みのないことなので、

「ワンストップ?何それ?確定申告でいっぺんにできるなら、それでいいや」

と、要するに苦手なものは後回しにしてしまったのです。

 

母は、年金生活者で年金の金額もたいしたことはないので、申告の必要はないのですが、時に、申告するとわずかに税金が戻ってくることもあったので一応計算だけはするのです。

 

今年も、確定申告の書類を持って母がうちに来ました。必要な書類、不要な書類を取り交ぜているのでその仕分けからします。

いつもなら少しだけ戻ってくる税金が、今回はなぜか戻らずに、申告すると税金を納めることになりそうです。

 

問題はふるさと納税です。ふるさと納税で住民税の還付は受けたい。しかし、申告すると住民税の還付は受けられるものの、税金を払わなくてはならなくなる。それを秤にかけると、確定申告をしない方が得、したがってふるさと納税の還付は受けない、そういうことになったのです。

 

「何やってるのよ!!ふるさと納税なんかして、損してたら仕方ないじゃない!」

私は、ああでもない、こうでもないと考えた末に、ふるさと納税の還付も受けられないのを知って、パニックになって、母に当たり散らしました。

「ああ、わかったよ、もうふるさと納税なんてしないから」

母は私の剣幕に驚いていました。

 

いつもなら2泊するところですが、私がパニックを起こした姿が怖かったのでしょうか。そそくさと次の日、帰って行きました。

 

まったく、ふるさと納税なんて言うのは税金をたくさん納めている人がするものなのに、と心の中でブツブツ言っていました。しかし…

なにか、私の頭の中に何か引っかかるものがありました。

 

もう一度、ふるさと納税のサイトを読み返しました。

 

年金受給額が400万円以下の年金生活者は、確定申告の必要はない。そのように、確定申告をしない人のために、ワンストップ制度があります。

ワンストップ制度とは、ふるさと納税した自治体に、ふるさと納税をしました、という届を出せば、確定申告をしなくても住民税の還付を受けることができます。

 

しまった!これだ!母にも、ワンストップ制度を利用すれば、申告しなくて済んで、その上住民税の還付も受けられたんだ。

これは私の完ぺきなミス!面倒なことを後回しにしているのがまずかった!

それなのに、パニックを起こして母にはずいぶん申し訳ない態度を取ってしまった。

 

済まぬ。母よ。今年の誕生日にはどこか近場の温泉にでも一緒に行こう。もちろん私からのプレゼントとして。大いに反省。でも、ミスったことは黙っていよう。

 

ああ、わが罪は常にわが前にあり…

 

おいちゃん、税理士のあんたがいればこんなことにはならなかったのに。

やっぱりおいちゃんのせいにしてしまう。