お葬式を形作る「コンセプト」と「ストーリー」

~わたしの葬式心得より

だれのための葬儀かが決まってくれば、どんな葬儀でなければならないかも、自ずと決まってきます。このように決まってくる葬儀の形を私は葬儀のコンセプトと呼んでいます。

葬儀のコンセプトとは、葬儀を社会的な役割を果たす最後の場と位置付けたとき、あなたの葬儀はどうあるべきかという判断から生まれてくるものです。あなた自身のためでいいのか。あるいは遺族のためという部分を強く意識した方がいいのか。それとも会社や公的な組織のためなのか。この点をまずはっきりさせることによって、あなたにふさわしい葬儀のコンセプトが固まってくるのです。

今回、ご紹介させていただく実例は1年前に葬儀を終えて「思い出の会」として

「逝去から1年経つにあたって、生まれてから各時代別にお世話になった方々に故人を偲びながら感謝と御礼をしたい」

というコンセプトのもとに執り行われました。

~わたしの葬式心得より

葬儀にとってストーリーが大切なのは、ストーリーが葬儀に命を吹き込み、遺族の心の中にあなたのお葬式が永遠に残っていくからです。

先に「葬儀に終わりはない」と書きました。告別式は中継点です。

その先には四九日、納骨、一周忌など、折に触れてあなたの思い出を遺族が語る場面が生まれてきます。その時に遺族の口にのぼり何度も繰り返し語られるような葬儀の場面。
それを演出する基になるものこそ、葬儀のストーリーなのです。

生まれた頃から小中学校の思い出、高校時代、大学時代、結婚、家族との思い出、そしてご逝去、葬儀、納骨から現在までの主催者(喪主)が行ってきた活動のストーリーを主催者自らが参列者にお伝えするという「偲ぶ会」です。

プログラムに沿って内容を伝えていきます。
横浜市のホテルにて11時から13時の2時間(食事あり)執り行われました。

ドレスコードはスマートカジュアルです。

開式10分前 G線上のアリアが演奏される中での参列者入場です。

司会者による開式から主催者挨拶となります。

主催者挨拶では会の趣旨と御礼が述べられました。

主催者挨拶の後にエルガーの「愛の挨拶」が献曲されます。

19世紀末の作曲家エルガーが、生涯愛し続けた妻へ捧げるために書いた曲です。優しく美しいメロディーは世界中で愛されています。

会の趣旨と御礼のお言葉を受けての選曲となります。

献曲後に主催者によるプレゼン第一部となります。

内容は、生まれてからご逝去までの各時代を写真とともに振り返ります。

故人様が一番楽しかった時代は高校生時代でした。

高校卒業の写真とともに卒業写真(荒井由実)が献曲されます。

プレゼン第一部終了後、司会者によるお食事の案内、懇談となります。

お食事中にはご友人からのリクエスト曲が演奏されます。

リクエスト曲は2曲です。

若者たち
故人様が中学生になった年のテレビドラマの主題歌でした。内容は少し難しかったのですが、若者たちの苦悩とそれを乗り越える姿に共感されて、歌詞をよく口ずさんでいらっしゃったとのことです。
花はどこへ行った
フォークで有名な曲で、当時のベトナム戦争への反戦の意味があり、流行っていました。習い始めた英語で歌える曲で、ギターの弾ける女子の伴奏に合わせ、歌っていました。

故人様の中学時代を思い出す曲です。

お食事も最後のデザートが配膳される前に司会者からプレゼン第二部の案内です。

プレゼン第二部の内容はお葬式を終えてからの1年間、主催者の活動報告になります。

プレゼンが終了するとグリーンスリーブスの生演奏が会場内を包み込みます。

イギリスに16世紀頃から伝わる民謡。古い讃美歌のメロディーにも使われています。

題名のグリーンスリーブス、「緑の袖」には諸説あります。
イギリスのある地方では、緑が妖精や死者の衣の色であることから、亡くなった女性を歌っているといわれることもあります。

同時にデザートと飲み物が配膳されます。

デザート終了の頃、主催者閉会の挨拶となります。

会場内にはアメイジング・グレイスの曲が終了の時を告げます。

そして閉会となります。

参列者一人ひとりに献花のカーネーションが配られます。

思い出の曲である「翼をください」が演奏される中での献花です。

主催者は、歩けなくなってしまった故人様に
「翼を贈ってあげたい」とおっしゃられていました。

献花後はそのまま退席となります。

ひとつのストーリーとしてつぎの世代に引き継がれていくことになることを願います。

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