葬儀後の手続き

2022.09.30

各行政の書類関連取組について~適切な簡略化を望む

各行政の書類関連取組について~適切な簡略化を望む

人が亡くなった時は、様々な行政手続きが必要です。そのひとつ、最も早く提出しなくてはならないとご家族が焦ってしまうのは、死亡届だと思います。(死亡が確認出来た時点から7日以内)

他にも、火葬する際には火葬許可証が必要で、死亡届と火葬許可申請書を提出しなくてはなりませんが、それらの手続きがやや煩雑になる場合があります。

昔と比べれば行政の手続きは簡略化の方向に進んではいるものの、もう少し利用者の立場に立って仕組み化をして欲しいというお話です。

 

【死亡届の押印は不要です】

コロナ禍をきっかけに、デジタル社会の形成を図るため、行政でもさまざまな提出書類が簡略化の方向になっています。戸籍法についても一部が改正されたことから、令和3年9月1日から死亡届の押印は任意となりました。

押印義務は廃止となり、印鑑がなくても死亡届を提出することは可能です。ただし、国民の間には押印をなくすべきではないという声もありますので、任意に押印することは可能となっています。

つまり、印鑑は押しても押さなくても良いということです。余計な手間がなくなりますので、これは歓迎すべきことなのですが、「任意」となっているのがくせものです。

いまだに、市役所の担当者によって印鑑がいる場合といらない場合があり、ご家族を混乱させる要因の一つとなっています。

法律上は、押印義務は廃止されましたので、印鑑がなくても死亡届の提出は可能となっているのに、担当者や自治体によって対応が違うのです。自信を持って「印鑑がいらない」と言えないのは不思議なことです。いったいどうなっているのでしょうか。

また、火葬をするには火葬許可申請書を提出して、その場で火葬許可証をいただかなくてはなりませんが、これらの作業を葬儀社が代行することが殆どでございます。

火葬許可証は当日忘れられてしまうと火葬することができませんので、忘れられるよりはこちらで代行した方が安心して準備を進められます。

しかし、火葬許可申請書と死亡届を同時に出すときに、本来は押印不要であるにもかかわらず、印鑑が必要であると言われてしまう場合もあるのです。

 

【火葬料金や手続きも各自治体でバラバラ】

火葬料金の相場など、一般の方はあまりご存知ないと思いますが、火葬場には公営と民営があり料金もまちまちです。

たとえば南多摩斎場は、町田市、八王子市、多摩市、日野市、稲城市に住民票があった方の火葬をする場合は、無料です。住民以外の方が利用する場合には、50,000円です。

また、東京23区の公営斎場は瑞江葬儀場と臨海斎場があります。
臨海斎場は港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区民であれば組織内価格で利用が出来ます。
火葬料金に関しては、原油価格の高騰などから頻繁に変動がございます。弊社HPの斎場を探すをご参考にしてください。但し、各斎場の価格や仕組みは、日々変わることが想定されます。念の為、斎場のHPも合わせてご覧になることをおすすめいたします。

とはいえ、住民票のある自治体によって火葬料金が違うというのは、なんとも世知辛い世の中だと感じます。

これだけ人が自由に行き交うグローバルな時代にあって、人生の最後のときをどこで迎えるかは誰にもわかりません。居住している場所で葬儀をあげるわけではないことも多々あるでしょう。

国や行政には、このような料金を一元化してもらうことが、税金の使い方としては正しいのではないかと思います。

そして、葬儀場によっては火葬許可証に必ず印鑑が必要だと言われます。しかも、事前に火葬場まで料金を支払いに行かなくてはなりません。

東京23区であれば、電話1本で済むにもかかわらず市の火葬場はそれができないという、なんとも不便なことになっています。

印鑑をお預かりするのはいやなものですが、手続き上仕方のないこともあります。行政の側に変わって欲しいものだと思います。

今は、公的な書類でも押印は省略可能、自書するだけで良いとなっているものが多いのに、なぜ人生最後の書類にこのような手間をかけさせるのでしょうか。

行政は、とかく前例がないと新しいことに取り組んでくれないものですが、これでは現代の流れに逆らっているように思います。

ご家族は、ただでさえ悲しみの中で気持ちの余裕がなくなっているのですから、少しでも面倒な手続きを省略し、負担を少なくして欲しい。こういう部分こそ早く仕組み化してほしいものです。

昨今、DX化が叫ばれていますが、それ以前のお話だと思います。

お客様のためにも早く改善されると良いですね。

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