葬儀への想い(旧葬送空間)

2025.02.23

お別れ会という名のもとの告別式①

お別れ会という名のもとの告別式①

10月下旬の朝、近藤の携帯に電話がありました。

 

「お久しぶりです、〇〇です。3年前にお世話になりました。」

 

近藤:「その節はこちらこそ。いかがされましたか。」

 

「わたしの友人のご主人が、都内の病院で息を引き取りました。

夏頃から緩和ケア病棟にいたそうですが、先ほどわたくしに一報がありました。

近藤さんの携帯番号を教えていいでしょうか。」

 

近藤:「わたくしでお力になれる事がございましたらどうぞ。」

 

「友人のご主人は上場企業の役員をされており、大規模なお葬式になると思います。

既に、会社にはこのご不幸事が伝わっていて、社内は混乱されているようです。」

 

近藤:「社葬であれ、合同葬であれ、大規模一般葬儀であれ、お応えは出来ますよ。」

 

ご連絡をいただいた〇〇さんと喪主は学生時代からの友人で、その繋がりは非常に強いものです。いつの間にか数珠つながりのように各地域、各方面で「何か困った事があればさくら葬祭の近藤さんを頼りなさい」との共通認識がもたれるようになりました。

近藤もそのサークルの一員のような存在でした。

 

近藤は、地域的な事と会社側でお葬式を取り仕切るであろう事から、ご家族側の相談相手に徹する事を決めていました。

 

3時間後、喪主である奥様から連絡がありました。

 

「お葬式を近藤さんのさくら葬祭にお願いしてもよろしいでしょうか。」

 

近藤は、故人様のいる病院と故人様名等をヒアリングしました。

 

 

喪主である奥様は冷静なご対応をされていました。

 

数珠繋がりのように広がったサークルの方たちは『お葬式事で急ぐ必要はまったくない』事をよくわかってらっしゃいました。

 

さくら葬祭とご家族の住所は車で2時間程の距離がありましたが、まったく問題にされませんでした。“わたしの葬式心得(近藤著)”には 「お葬式はあくまでも通過点である」という一節があります。その事をよくご理解されている喪主様でした。

 

故人様のお身体を弊社霊安室にお預かりさせていただき、近藤がご家族宅に向かったのは既に夕刻でした。

 

故人様宅で近藤をお待ちされていたのは喪主様(奥様)、長男・長女と実兄様でした。

 

ご家族の希望は、大型一般葬儀でした。

 

○○家のお葬式ですが、会社関係者との打ち合わせもお願いしたいということでした。

 

お葬式の規模は把握されているだけで200名。加えて会社関係、取引先関係、学友関係が参列される予定で、その時点での人数の把握は困難な状況です。

 

近藤:「最低、1週間の日延べが必要になります。しかし、会社関係等の訃報通知は急ぐ必要があるので、お葬式の日時・場所は本日中に決定する必要がありますね。」

 

 

お葬式の日時・場所が決定しました。

 

 

次はお葬式のコンセプトに則ったお葬式の形式(スタイル)です。

お葬式のコンセプトはご参列、ご会葬の皆様に最後のお別れをしていただきたい

 

・大勢の会葬者

・実家が神道

 

上記の実家が神道である事がネックとなりました。

実兄の強いこだわりでもありました。

近藤が提案したお葬式のスタイルは【お別れ会という名のもとの告別式】、無宗教・献花方式で執り行い、お葬式後の法事は実兄様を中心とした神道で祀ってはいかがか。

 

無宗教・献花方式のお葬式であっても、あえて式次第(プログラム)は設けないスタイル、俗にいうノープランで執り行ってはいかがか。

 

ここでいうノープランとはご参列、ご会葬をいただいた方々の人数(時間軸も考慮して)、葬儀会場のキャパシティーを考慮に入れた動線によりアクティブ且つ臨機応変に式次第(プログラム)を決めて、即実行に移す事です。

 

必要条件としては、会社関係者様にご理解をいただく事です。

 

必要条件をクリアするのにはあまり時間を要しませんでした。

 

つづく

 

Books

私の葬式心得

本書は、自分を「おくられ上手」に、また家族を「おくり上手」にする一冊として、これからの「理想的なお葬式」のあり方を提案していきます。
株式会社SAKURA 代表取締役 近藤卓司著「わたしの葬式心得」幻冬舎出版より発売中です。アマゾンで好評価5つ星。

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