葬儀への想い(旧葬送空間)

2021.11.04

さくら葬祭が考える葬儀とは?

さくら葬祭が考える葬儀とは?

今回は、さくら葬祭代表取締役・近藤の葬儀に対する考え方についてお話ししたいと思います。

葬儀は、非日常の宗教的な儀式と捉えられがちですが、故人様を偲び、残されたご家族の心のケアをしていく場でもあるのです。

葬儀に臨まれるご家族が不安を感じたり後悔することのないように、常に寄り添い、全身全霊を注いでサポートするのが私たちさくら葬祭の使命だと考えています。

 

【お葬式はストーリーを作る場所】

どのような方にも、おひとりおひとりに人生の物語があります。病院で亡くなった方、ご自宅で亡くなった方、最後の瞬間がどのようなものであれ、それまでその方が歩んでこられた道のりがあります。

お葬式は、その道のりをたどりながら、その方だけのストーリーを作り上げていく場所だと思っています。

「ストーリーを作る」とは、その方の人生の思い出をお葬式の中に、物語として組み込んであげることです。

そうすることによって、故人様の死の意味を受け止め、喪失感を埋めていくことが可能になるのです。

 

【古くからのしきたりが持つ意味も大切にする】

葬送儀礼には、意味があります。亡くなった方を葬るための一連の儀式のことで、現在では葬儀と略されているため、お通夜や告別式のことがお葬式だと捉えられていますが、もともとはご遺体を草むらに葬ることが「葬」、その場所まで送っていくこと、すなわち野辺送りのことを「送」といいました。

土葬が主流の時代には、故人の近親者で棺を担ぎ、埋葬する場所まで運んで行きます。それは、故人との別れを惜しむ貴重な時間でした。また、故人が迷って現世に戻ってこないように、わざわざ遠回りをして運ぶなど地域ごとのしきたり、習わしもありました。葬列の先頭は松明または高灯籠を持っていましたが、これは葬列を先導するとともに、魔除けの効果があるとされていました。

現在ではご遺体を人の手で運ぶことはほとんどないですし、火葬場から葬儀場まで霊柩車で搬送されるようになりましたが、本来の葬送儀礼というのは「送る」という行為自体に意味があったのです。

そこに宗教が加わり、お葬式は宗教儀式のひとつとしての側面も持つようになりました。

現在行われている仏教の葬儀には、それぞれの宗派ごとのしきたりがあります。野辺送りに、故人を運ぶだけでなく、故人を偲びながらこの世に穢れを残さないという意味があったのと同じように、それぞれの所作、作法には意味があると思っています。

たとえば浄土真宗では即成仏という考えがありますので、葬儀自体が供養を目的としておりません。それに対して浄土宗の葬儀は、仏の弟子となり、極楽浄土へ行くための式なのです。

家族のあり方の変化に伴い、葬送儀礼のあり方やそれに対する意識も変化してまいりました。しかしそこには、古くから継承されてきた葬送文化の意味が込められており、その意味を理解しながら次世代へと継承してくことも私たちの使命ではないかと思っています。

 

【お客様のグリーフケアのために】

ほとんどの方にとってお葬式は初めてのことであり、何もかもがわからないことだらけだと思います。

悲しみや混乱の中で、また、時間もあまりない中でお葬式の準備を進めなくてはならないため、自分にとって本当に良い、納得のいくお葬式ができる葬儀社を見つけることは至難の技でしょう。

だからこそさくら葬祭では、どのような小さな質問であっても丁寧に、誠意を持ってメールや電話など様々なツールを使ってお答えしています。

葬儀社を決める前に疑問や不安を解消し、心の落ち着きを取り戻して準備を進めていただきたいからです。

私たちが丁寧にお答えすることによってご遺族との絆が生まれ、それによって故人様との絆を深めるサポートができるようになるのです。

お葬式に際して、お客様には心の余裕がありません。

しっかりとお見送りをしたいと思う方や、シンプルながらもきっちりと見送りたいと思われる方。こうしたいという考えはありつつも、混乱した状況の中でその思いを言葉にするのは難しいものです。どの方も、亡くなられたという事象に向き合うのは大変なことなのです。

だからこそ、お葬式のことも、その後の先のことも、その方が数年かけて心を癒される過程を想像してお葬式に組み込んでいくことが、本当のグリーフケアにつながると考えています。

葬儀社を探すとき、初めてのことでよくわからないからと、葬儀社を葬儀の金額で決めてしまいがちです。しかし安価だというだけで選んだ葬儀社では、適切なサポートができないことが多いのです。

たとえば、火葬場についてもどうしていいかわからないというお客様もいらっしゃいます。初めてのことですから当然ですが、そのご案内さえまともにできな葬儀社もたまに見受けられます。その時の出来事が、心の傷になってしまうことがあるのです。

小さなことのように思えるかもしれませんが、ご本人にとってはとても大きなことです。だからこそ、細部まで神経を研ぎ澄ませ、小さな不安も感じることなくスムーズに葬儀が進むよう、全身全霊を注いでサポートできる体制を整えておくことが、何よりも大切なことだと考えています。

 

【弔電について】

弔電については某Nさんが有名ですが、異業種参入して弔電を運ぶ会社もあります。

私が思うのは、某Nさんはしっかりと文化に則り、細かな気遣いができていますが、最近参入してきた会社の中には、車を斎場に横付けし、まるで物を届けるだけのようにして弔電を運んでくるような会社もあるのです。

細かいことだと思われるかもしれませんが、弔電の意味を考えたらこのような扱いはできないはずです。故人様とご遺族様の立場に立って、そのお気持ちを考えて行動してほしいと思います。弔電を運ぶということは、そんな簡単なことではないと私は思うのです。

 

Books

私の葬式心得

本書は、自分を「おくられ上手」に、また家族を「おくり上手」にする一冊として、これからの「理想的なお葬式」のあり方を提案していきます。
株式会社SAKURA 代表取締役 近藤卓司著「わたしの葬式心得」幻冬舎出版より発売中です。アマゾンで好評価5つ星。

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