終活と在宅医療
2020.10.22
終活について様々なメディアで取り上げられています。自分の人生の終わりを意識しながら、それでも、最後まで自分らしい人生を送るために大切な人生のやるべきことのひとつが「終活」とも言えるでしょう。
相続の仕方や葬儀へ呼ぶ方のリストアップやどういった葬儀をしたいか等、さまざまな形があります。
ただ、さまざまな形がある、そして、それぞれの意志や好みを反映すると言われても、何が正解で、何が自分に合ってるか?を選べる方は、実際のところ少ないのではないでしょうか。
葬儀についてもご自身でしっかりと事前相談にいらっしゃって、ご自身でプランを選ばれるご夫妻もいらっしゃいます。
ご自身で残された人生をより充実し、無駄のない時間の過ごし方をしたいと考えていらっしゃるなと感じます。
今回はそういった終活をもっと気楽に捉えていただき、その過程の中で少しづつ考え方を整理するためのポイントをご紹介します。
※終活については様々な考え方があります。あくまでもひとつの参考例としてお考えください。また、より詳しい終活については専門家への相談や専門書籍等からの知識を推奨いたします。
さて、終活って何かを考えると、膨大なやることがある気がしてやる気が出ないのではないでしょうか。
「やった方がいいんだろうなぁ」
「また今度ゆくっり時間のある時に考えよう」
そんな風に考えて後回しになってしまう…。そういう人が大半であると思います。
そもそも、何のための活動なのかを考えると不思議な矛盾に気が付くはずです。
生きている間にそもそも終末を考えて準備するなんて、少し変わった考え方です。
日本人は生真面目、几帳面等表現される事が多いですが、終活を活動と名付ける点もその気質が影響しているかもしれません。
生きているうちに、出来る限り、他人に迷惑をかけず、自分らしく最後まで過ごそう。そうすることで、今まさに生きてるこの時間が、より輝いたものになる。
ここがまさに鍵となるポイントでもあります。
例えば、自分の持っているエコバックの中にリンゴが10個入っている。でも、自分は多くても、3個しか食べないだろう。残りの7個をこのまま放置していても、腐るだけだから、誰かに差し上げよう。
こんな考え方は日本人であれば誰でも持っていて、自然と行動に起こせているだろうと思います。終活もきっとそんな考え方からスタートしたスタイルのひとつと捉えてみましょう。そうすることで、より身近に感じられます。
終活の最大のメリットは、真面目に生きてこられた自分の人生が、ご自身が亡くなった後も、誰かの役に立てて、感謝される。そんな風に考えることで、モチベーションの一つになるでしょう。
終活ということは、その準備は全てご自身がこの世に存在しない時の準備ということになります。
でも、考えてみてください。終活をしようとしている今。
大切なのは、ご自身が生きてる今日を大切に生きることです。
終活とは、ご自身の残された時間をいかに有効に使い切るか。
世の中には不公平が多くあります。平等だと学校教育では学びますが、実際は様々なところで、差は生じています。
生まれ落ちた国でも衛生的に過ごせるか否かも変わってきてしまいます。
ですが、時間だけは、誰もが平等に1日24時間。お金持ちもそうでない人も同じ24時間。それをどう有効に使うかはご自身の判断でいくらでも変えることが出来るのです。
確かに終活をするメリットには、子供達やお世話になった方々になるべく心配を掛けず、安心してもらう事が含まれています。
ですが、何よりもご自身がHAPPYに楽しく、有意義に時間を過ごしてもらう為。そんな風に考え方をシフトしてみましょう。やはり自分の人生が一番大切です。より充実した人生を最後まで貫き通す。その為の準備と捉えて欲しいと思います。
山本有三著「路傍の石」には、こんな言葉が出てきます。
「たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。」
この言葉にあるように、私たちは、身ひとつで生まれて来て、身ひとつで亡くなって行きます。
つまりは、何かを持って生まれて来たわけでも、何かを持って亡くなる事も、出来ないのです。
終活を考える前に、まずご自身の身の回りのもので必要のない物、それを断捨離して身軽になりましょう。
それによって、本当に自分にとって何が必要であったのか。何を大切に生きて来たのかが、自ずと自分自身が感じ取れるのです。
現在のシニア世代は、日本の高度成長期を支えて来た方々です。
その時代は、生活がより便利になり、次から次へと新しいアイディアやサービス、商品、移動手段等が生まれて来た時代でした。
消費することが、正しいとされ、多くの物を持っている事が幸せであるという価値観もありました。
しかし、時代は変わりました。2020年現在、地球は新型コロナウィルスの拡大により大きくその生活スタイルや、価値基準を根底から考え直す時代ともなりました。
歴史的なこの年に、もう一度ご自身の価値観も再構築する。
そんな機会が到来したのかもしれません。
物を捨てる、整理する。断捨離をする。
そう考えてもいざ何を捨てたら、どうやってやれば良いか迷う方もいらっしゃると思います。
断捨離については、多くの有名な方が書籍を出版されています。
そのノウハウは、書籍を読むと理解出来ると思います。
そして大切なのは考え方をシフトすることです。
たとえば、ビジネスとして考えてみましょう。ご自身が商売をしているとします。かつて画期的であった、商品も時代と共にその新しさ・技術も風化してしまいました。
倉庫にはいくつか当時の商品がほこりを被って眠っています。ですが、倉庫の賃貸費用は毎月かかってします。
不良在庫というものです。
ここで留意したいのは、何年も売れない商品のために、倉庫の賃貸費用を払っていることが良い事かどうか。
という点です。
同じことが、ご自宅にも起こっています。せっかく広い部屋を借りたのに、もしくは購入した方もいらっしゃいます。
ですが、いつのまにか、その部屋には多くの物が鎮座して、ご自身がゆっくりお茶を飲むスペースを圧迫してないでしょうか?
「少し前は、活動的にいろんなところに出かけていたけれど、最近はたまに旅行に出かけるだけだ」
「マッサージチェアを買ったけれど、最近は全く使っていないなぁ」
そんな使っていない商品や家具、衣類はないでしょうか。
でも捨てるのがもったいない。そういう考えがあるかと思います。
最近は随分便利に、リサイクルが出来ます。メルカリやジモティーなどのサービスを利用すれば、気軽に他の方に譲ることが出来るようになりました。
現在使用しなくなった家具もまだお子さんが小さいご家庭では十分に利用価値のある商品で魅力的です。
お子さんやお孫さんに「代わりに売っていいよ。売った代金はお小遣いにしていいわ」
なんて声がけすることも良いコミュニケーションのひとつになるかもしれません。
物を捨てることは悪いことではありません。むしろ誰かに譲ったり、空いたスペースで新たな買い物をすることで、経済を微力ながら回したり、ポジティブなスパイラルが生み出せます。
物が減りすっきりとスペースが出来ました。いつの間にか倉庫と化していた書斎には、ご自身の好きな本だけが並んでいます。ご自身の半生を振り返りながらアルバムの整理や自叙伝を執筆も是非取り組んでみてください。
また、今までリビングに布団を敷いて寝ていたけれど、自分の部屋の物が無くなりすっきりした空間で就寝。リビングでは、本来好きだった趣味の手芸道具を置いて、作品を作ってみる。
是非、生まれてきた意味ややりたかったことに全力で取り組めるスペースを生み出してください。
時間は何よりも貴重な資源。特に高齢者の方にはお金よりも貴重かもしれません。
快適なスペースで、本来の自分の人生を生きて。是非生きたかいのある人生を送っていただければと思います。
次回は、活動的でいるためのヒントをアップする予定です。
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終活を難しく考える前に、まずは今を楽しい生活にすることが大切です。誰でも思考を整理するには、ふさわしい空間があります。カフェでおいしいコーヒーを飲みながらや、好きな音楽をゆったりした気分の時になど。そのための一つとして、物を捨てるなど、物理的に周りを整理することから始めてみる事で、自身の思考がすっきり整理されます。
同時に体を動かしたり、人とのコミュニケーションを生んだりして生活が活動的になるでしょう。終活を大変なものと捉える前に考え方を少しシフトしてみることも大切です。
葬儀についての資料を
ご送付いたします。