著書:わたしの葬式『心得手帳』
2016.08.02
お葬式は、生前お付き合いがあった方々に広く訃報を知らせ、
これまでのご厚意に感謝を示すという役割を担っています。
考え方として、集まってくれた参列者があなたの気持ちをわかりやすく受け止めてくれるように、ごく普通の仏式、神式のお葬式にしたいと考えても不思議はありません。
とくに社会的な地位や古くから多方面にお付き合いのある人の場合、ご家族も一般的な仏式、神式の葬儀を望むことも多いのです。
しかしそれでは想いが伝わらないと考える方にお薦めしているのが、
一般葬と音楽葬の組み合わせです。
このようなケースがありました。
故人には菩提寺がなく、特定の宗教・宗派がある訳でもありません。
ご家族の意向としては、今まで頑張ってきた故人をとにかく
「明るく送ってあげたい」とのことでした。
そこで音楽葬を提案することにしました。
ところがご家族からは「お坊さんのいないお葬式では、親戚や周囲の人たちに驚かれてしまうのでは?」といった声も上がりました。
もちろん、お葬式は故人と家族のためのものですので、
親戚や周囲の声を全て聞き入れなくてかまいません。
しかし、だからといって必要以上に意見をはねのけることも、
家族としては抵抗があるものです。
結論としては、通夜は音楽葬形式をとり、葬儀・告別式はお坊さんを紹介させていただくということになりました。
戒名はいただかず、俗名(生前の名前)でのおつとめとなりました。
通夜(音楽葬)終了時には、ご親戚や周囲の方々より
「こんな素敵なお葬式ははじめてです」
「故人らしいお葬式ですね」
「心が救われた」
などのお言葉をいただきました。
このように、家族の体裁を考えて、一般葬も併用するという形も可能なのです。
(株)さくら葬祭 代表取締役 近藤卓司
著書『わたしの葬式心得』より
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