著書:わたしの葬式『心得手帳』
2019.12.06
今回は、「上質なサービス力の科学」7日間集中研修プログラム
2日目、「サービス力を高める品格」というテーマについてお話しします。
このブログ記事では、茶道をとおして上質なサービスを提供するために
さくら葬祭が継続的に行っている研修を公開していきます。
今回、第2日目研修を観終わった後は、サービス力に必要な要素のひとつ、「品格」について、「品格」を持った人の共通項、「品格」を身につける上で最も大切なポイントと「品格」のある教養についてご理解いただけるようになります。
さて、今回は最初に、サービス力を高める「品格」を身につける上で最も大切なポイントについて、お伝えします。
前回のブログ記事では、サービス力には4つの重要な要素、「品格」「おもてなし」「スキル」「行動」があり、サービス力=「品格」×「おもてなし」×「スキル」×「行動」である、と云うことをご紹介させていただきました。
品格と言っても難しいことではありません。
ごく当たり前のことを当たり前に行えることが品格ある人の第一歩です。
たとえば、人との待ち合わせ。皆さんは約束の時間の何分くらい前に行きますか?
お茶の人の待ち合わせというと、約束の時刻の30分前に着いているというのが当たり前です。若いころ、学生時代の気分でちょうどの時間に行くと、すでに全員勢揃いしていて、キツネにつままれたような気がしたものです。
その時「きょうは例外に違いない」と思ったものの、その後も皆さん、常に早い到着。
5分10分定刻より早く着いても、結果はビリです。
回を重ねて「お茶の世界とは、そういうものなのだ」とわかりました。
現在はお茶をしていない友人と待ち合わせる時も、やはりクセで必ず早めに到着します。
もちろん友人たちはピッタリの時間にくればいい方です。昔の私のように。
それでも、早めに着くって心にも態度にも余裕ができて、あたふた到着するよりずっといいですよね。
そんなゆとりや人を待たせないようにする気持ちが品格につながると思います。
また、皆さんは会社に行くとき、家でくつろぐとき、休日で遊びに行くとき、とさまざまな場面に身をおきます。
目的も相手も別々です。そんなとき、きっとTPOに合わせて服装をえらんでいることでしょう。
それは自分のためである以上に自分以外の人のためであるのです。
大切な場所にラフな格好で行ったらおかしいし、カジュアルな場面にドレスアップしてもおかしい。
茶道教室にくる皆さんは、最初は露出度の高い服装やジーンズなどを着てきたりもします。
ところが露出度の高い服装は座れば太ももまで丸出しで皆さん目のやり場に困る、ジーンズは立ったり座ったりが痛くてたまらない。
そして何より茶室という神聖な空間に自分の衣装が合わないと気づくのです。
そのようになってくると玄関に脱いだ靴もきちんと揃える。
恥ずかしくないように、靴も磨いてくる。
というようにいい方向にどんどん回りだします。
空間と他人の目が、いやがおうでも品格を身につけるように仕向けてくれるわけです。
一人ではなかなか品格は身につきません。
相手がいかに心地よく感じるかを考えながら行動することが、品格を身につける上で最も大切なポイントです。
また、マナーや礼儀作法といった教養も品格の大切な要素のひとつとなります。
今、ネットでマナーなるものを調べてみると数え切れないほどの教室、講師がでてきます。
マナーと一口に言っても、ビジネスシーンと日常社会ではおのずから違ってくるでしょう。
名刺の交換の仕方、部屋中で上座はどこか、ご近所の方々とうまくやるための方法などスキルはどこでもたくさん教えてくれます。
また、コンビニやファミレス、居酒屋などにバイトに行けば、接客時に使う言葉を教えてくれるでしょう。
いえ、いまやバイトなどしなくても、そのような言葉はちまたにあふれています。
では、名刺の交換の仕方がうまい、上座がどこだかわかる、ご近所の方々とそつなく付き合う、それが本当のマナー、ひいては教養と言えるのでしょうか?
目上の人にコンビニ言葉を使って、それがていねいだと思っているのでしょうか。
そうではないことはお分かりだと思います。
品格のある教養とは1日や2日で身につけることのできるスキルとは違うのです。
正しい知識、正しいマナー、正しい日本語を身につけることによって初めて品格のある教養を得ることができるのです。
お茶の世界では、時にはお芝居のセリフのような言い回しをしたりします。
「ちょうだいいたします」「お先に」「いかがでございますか」「もう、じゅうぶんです」
「どうぞ、おはいりください」などなど。
最初のうちは誰でも気恥ずかしくてたまりません。
しかし、毎回決められた場面で決まり文句のように言っていると、だんだんと自然の口をついて出てくるようになるのです。
そうなってくると、日常生活でも不思議なことに、何かの拍子にその言葉がでてきます。
並んで入口を入るとき、「お先におはいりください」「では、お先に」
おいしそうなものを口にする時は「ちょうだいします」
「おかわりは?」と聞かれれば「もう、じゅうぶんです」と。
やはり、空間と他人の目が、いやがおうでも品格を身につけるように仕向けてくれるわけです。
繰り返しますが、一人ではなかなか品格は身につきません。
相手がいかに心地よく感じるかを考えながら行動することが、品格を身につける上で最も大切なポイントです。
以上、本日はサービス力を高める4つの要素のひとつ「品格」について最も大切なポイントを凝縮してお伝えしました。
次回は、「サービス力を高めるおもてなし」というテーマについて、お話をしていきます。
葬儀についての資料を
ご送付いたします。