納棺師が綴る『故人カルテ』

2015.10.04

故人のカルテ

「故人の尊厳を守る」とよく耳にします。
具体的には?と問いたくなることがしばしばあります。
そのための「最低条件」は、故人の「お体、お顔」をケア、保全することです。

亡くなられたときの原因、どのような処置を受けてきたか?

さらに、温度、湿度、ご安置場所など、状況や環境によってもお体の変化の度合いが変わってきます。

 

しかし、病院やホームの人は「生きている人」をみていますので、
ご逝去後、どのようにお体が変化していくのかを知らない方がとても多いのです。

病院では、「エンゼルケア」と呼ばれる処置をすることがあります。お化粧をする場合も多くあります。その場では、それで十分だと思います。

しかし、生理現象や環境によって、状態は変わります。

正しい施しをしなければ、この変化には対応できません。

 

生体学的なアプローチから、ご逝去後の正しい施しは「故人の尊厳を守る」ことの最低条件です。

「故人のカルテ」をつくることにより数多くの症例、変化、そして施しの記録が残ります。そして蓄積されていきます。

故人は「言葉を発する」ことは出来ません。

しかし、故人のお体から発する「メッセージ」は必ずあるのです。

 

故人から「おくりびと」への伝言では、故人からのメッセージを元に「故人のカルテ」をご紹介させていただきます。

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