葬儀マナーの実際
2024.04.26
お葬式の形、参列の方法など、コロナとともに大きく様変わりしました。人が集まることができなかったこの数年間、最低限の人数しかお呼びすることができず、式も短時間で済ませてしまうことが多かったと思います。
しかしようやくコロナが収束し、お通夜やお葬式も以前のような姿に戻りつつあります。
しかし、コロナ以前の大型葬儀から少人数の家族葬へと、お葬式の形も変化している今だからこそ、今一度、家族葬のお通夜への参列の仕方について考えてみたいと思います。
お通夜のマナーとして、まず何より大切なのが時間です。これは、普通のお通夜でも家族葬でも同じことです。しかし、時間通りに来ない方がいらっしゃいます。
なんらかの事情で、やむを得ず遅れてしまう場合は仕方ないでしょうが、お通夜というものはできる限り時間を守るべきものです。
お通夜だから焼香に間に合えば良いだろうとお考えなのか、式場に着いているのにもかかわらず、タバコを吸っていたり、雑談されていたりして中に入らない方もいらっしゃいます。これでは、時間に間に合っているとはいえません。
中には導師の入場の時など、お通夜で最も重要なシーンで入ってくる方もいらっしゃいます。
お仕事やその他、どうしても間に合わないこともあると思います。しかし、来られるならば時間通りに来るのが礼儀ではないでしょうか。
読経の最中であっても、隣の方とペチャクチャお話しする方もいらっしゃいますが、これは故人様にもご家族の方に対しても、礼を失した行為といえるでしょう。
喪主様は、お通夜が始まる前に導師様や式場のスタッフと話をしなければならないこともあり、当日はとても忙しくしています。にもかかわらず、参列者が急に近づいてきて挨拶をされたりしますと、その分時間が押してしまいます。それが式全体の遅延にもつながってしまうのです。
時間通りに来ることもマナーですが、喪主様の立場を思いやり、忙しいときには声をかけず、静かにお見送りするという心構えもマナーの1つです。
式次第が必要なお寺もあります。喪主様やご家族はお通夜が始まる1時間前にはきていただき、式次第の説明もしなくてはなりません。
式次第がなければ式の流れがめちゃくちゃになってしまうこともありますから、忙しい中でわざわざ時間をとって説明をするのは、喪主様が恥をかかないようにという配慮でもあります。
限られた時間の中でことをスムーズに進めていくためには、打ち合わせの時間がとても大切です。邪魔してほしくない時間なのですが、そのような時間に入ってこられても、正直とても困るのです。
ですから、お通夜に参列される方は、遅すぎず早すぎず、式の開始時間に合わせて、少し前にきていただくのが望ましいと思います。そして、喪主様の立場を思いやり、不必要に声をかけないなどの配慮もお願いしたいところです。
時間を守って来ていただくのには、理由があります。それは、心の準備のためです。
お通夜に参列するには、マインドセットが必要だと考えています。
心を込めてお見送りをするためには、遅れてきてバタバタするのではなく、少し前に来て心の準備を整える。それが、故人様への礼節ともなるでしょう。
昔のお通夜は自宅で行うことが多かったので、一晩中線香をたいていて、いつ誰が出入りしてもよかったかもしれません。
しかし時代は変わり、お通夜もお葬式も、自宅ではなく斎場やお寺で行うことが多くなってきました。
そうなると、いつきてもいいということにはなりませんので、時間はきっちりと守る必要があるでしょう。
少なくとも式が始まる10分前にはご着席し、心を整えるための時間としてください。
大型の葬儀で、たくさんの人が出入りする場所であれば多少のざわつきも許容されるでしょうが、少人数で行う家族葬の場合は空気感がざわつかないような配慮が必要です。
一般的なお通夜の開式時間は17時~19時、所要時間は1~2時間程度です。これは、お通夜の規模によって違ってきます。お葬式は通常で18時開式です。ですので、家族葬の場合はもう少し早めの時間に設定されることもあります。
受付が30分~1時間前に始まりますので、参列者は10~15分前くらいに到着するのが望ましいです。なるべく開始時間を過ぎないように、また、到着が早すぎないようにしたいものです。時間を守るのは、参列する側の最低限のマナーです。
かつてのように、自宅で行うお通夜から、お寺や斎場で行う形が主流となり、さらにコロナ後は、大型葬儀ではなく家族葬を行う方が増えています。
そのような中、時間を守らずに遅れてきて、読経の最中に入ってくる方もいますし、逆に早くきて打ち合わせ中の喪主様に挨拶をし、打ち合わせの妨げになることもあります。
遅くとも開式の10分前くらいにきて、心を整え、お通夜がスムーズに進むように配慮するのが、参列される方のマナーです。
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