音楽葬
2024.05.28
さくら葬祭といえば、音楽葬です。
今回は、音楽葬のプロとして、生演奏にこだわるさくら葬祭の音楽葬の様子をYouTube動画でご覧いただきながら、私たちが目指している音楽葬というものについて、詳しくお話ししたいと思います。
まず、この動画をご覧ください。この動画のタイトルは、「αは突然におりてくる」としております。
お通夜終了後、それまで譜面台の前で演奏していたバイオリン奏者が、歩きながら喪主様や参列者の前まで出てバイオリンを奏でております。
ある意味、タブーである行動ではありますが、近藤はこれを「α(アルファ)」と表現しています。
これは事前に予定していた行動ではなく、この場でとっさに思いついたことです。音楽葬のプロとして式を取り組んでおりますと、「今、こう対応させていただこう!」といった想いが突然おりてくることがあるのです。
このお葬式の場合、喪主様はリピーター様で、過去のお葬式でも音楽葬をご希望されていました。
そして、その時にも流した思い出の曲「パリの散歩道」を、お通夜が終わり、ご参列いただいた方が式場から退場されるときのほんの少しの時間でも演奏することにしていました。
このとき、言葉に言い表せないご家族の想いが伝わってきたため、いつもとは違う形の演奏の方がこの場によりふさわしいと判断したのです。
そこで、参列者にとっさにお声がけして、奏者の前に集まっていただきました。
その場にいる方々皆さんで肩を寄せ合いながら、バイオリンが奏でる「パリの散歩道」の調べとともに、お気持ちをひとつにする。そうすることで悲しみを乗り越えていただけたらと考えたのです。
ただこれは、即興的な演奏を楽しむジャズセッションのような、その瞬間のひらめき的なものではありません。
この日の演奏につながる「α(アルファ)」は、ご葬儀のご相談を承ったそのときから始まっていたのです。
好きなお花や曲や色、生前の好きだった趣味などを質問しつつ、そのささいな質問から、答えの根底にある、故人様のパーソナリティが見つかると近藤はいいます。
そのパーソナリティーを十分に理解しているからこそ、この日の演奏スタイルにつながったのです。
今回のお葬式はお客さまに大変ご好評いただき、「こんなお葬式見たことがない」と喜んでいただけました。
こればかりは、実際に体験したお客さまでなければ実感はわかないかもしれません。
ただ、今回のようにその場の判断で行動ができるようになるのは、「α(アルファ)とサプライズの違い」が分かっているからです。相手に喜んでもらうという意味合いは同じですが、その目的には違いがあります。
サプライズは、相手に予期せぬ驚きや喜びを与えることを目的とした演出であり、α(アルファ)は元になるものをより特別に感じてもらうための心遣いです。
また、音楽葬のプロとしての指揮を取り計らう葬祭ディレクターの経験も必要ですし、音楽を演奏する奏者の力量も必要です。そして、それを受け止めてくださるお客さまの感性も必要です。
奏者は、弾き慣れている曲でない場合、楽譜が必要です。ひとりで演奏しているならば、今回のように近藤の指示でお客様のそばで演奏することになったとしても、多少のアレンジは可能です。
しかし、このときはバイオリンの他にシンセサイザーの奏者もいましたので、無言のアイコンタクト、阿吽の呼吸で演奏を続けなければならず、これには大きな力量が必要とされます。
ですから、単なるその場の思いつきでできることではなく、これらすべてが一つになってこそ、今回のような「α(アルファ)」が生まれるのです。
今回のように、奏者と参列者の心が一つになり、特別な瞬間が生み出されたのは、根底に茶の湯の心の「一座建立」があるからです。
さくら葬祭では、常にホスピタリティを忘れないよう、スタッフの研修に茶道を取り入れています。単なるお葬式ではなく、ホスピタリティのある、参列した方の心に残るお葬式を執り行うためです。
相手に対して何ができるのか、それを常に考えることが私たちの「茶の湯の心」です。近藤は打ち合わせの時から360度アンテナを張り巡らせています。だからこそ、茶湯の心である「一座建立」が成り立つのだといえるでしょう。
「α(アルファ)」が生まれるのは、相手のために何ができるのか、それを考え抜くという「真の想い」があるからです。
今回は、「αが突然おりてくる」瞬間についてお話ししました。
打ち合わせの段階から、相手のために何ができるのかを考え抜く。その結果、マニュアル通りではない、その場のご家族の想いに寄り添ったお葬式ができるのです。
これは常に、茶の湯の心を忘れず、360度アンテナを張り巡らせているからこそできることです。
葬儀についての資料を
ご送付いたします。