なずな日記
2018.07.13
先日テレビで映画のノーカット版を放送していました。何でも社会現象にもなった不倫の映画だそうです。
社会現象ってどんな現象か知りませんが、とにかく評判になったのでしょう。
不倫なんてどんな美男美女がするんでしょうか。私、なずななら街中でいい男がいたら、「うんまあ!」と、心の中で叫んで次の瞬間、ガラスに映るおのが姿を認め、うなだれるだけでしょう。
でも、霊能師と言われる人の話によると、不倫は絶対にしてはいけないことだそうです。ならば絶対できないこの私は罪も軽いというものです。
それはさておき。ストーリーは…
会ってはならない一組の男女は、運命の糸に操られるように再会してしまい、また愛し合うようになりました。
女の方は家庭をなくして一人ですが、男の方はまだ家庭があります。男の奥さんも夫を失いたくないと必死ですが、映画の中では奥さんの方が悪役です。
そう、普通なら不倫をする方が悪役なのに、この映画では妻が悪役なのです。
奥さんと別居した男は、女と暮らし始めます。仕事に出かける男と、それを見送る女。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
など、夫婦気取りです。
正しい市井の人、なずなはこんなことは許しません!
「何で奥さんが悪役なのよ!なんも悪いことをしていないのに!」
テレビを見ながら、ひとりで憤ります。
こんな映画で、誰が感動するか!!
しかし、映画も終わりに近づいて来た時です。
車を運転する奥さんと、助手席の男。
「どうして私じゃだめなの?どうしてあの人じゃないといけないの?」
逆上した奥さんが事故を起こし、そして男は亡くなります。女は、警察に呼び出されて愛する男の遺体を確認に行きます。
男の着ていた衣服を抱いて泣き出す女…そして、頭の中に浮かぶのは
「行ってきます」
と言って向こうに向かう男の姿。
ここで私は亡くなったおいちゃんと、この男の姿を重ね合わせてしまいました。そしてあの時を思い出してしまいました。涙がこぼれて来ます。もう3年もたつのに、あの時の記憶は鮮明に覚えています。おいちゃんが出かけるところから、遺体の確認をするところまで。
おいちゃんはその日、かつての仕事仲間と一泊で温泉旅行に行きました。
おいちゃんも、この映画の男のように、顔だけこちらに向けて言ったのです。
「明日の昼は海鮮丼を食べて来るから、夜はご飯じゃないものね」
うん、と私は頷きました。
その夜、おいちゃんが大変なことになったと呼び出しがあって、おいちゃんが運び込まれたという病院にタクシーを飛ばして行きました。私が到着した時、おいちゃんは、もうすでにこと切れていました。
「おいちゃん…」
おいちゃんの足をマッサージしながらこの映画の女のように泣いたのでした。
まあ、しかし、不倫は許せない…とはいえ、妻(または夫)もその地位に胡坐をかいてはいけないとも思います。
私の場合、妻という地位に胡坐をかくことも、もうありませんが。
もうすぐおいちゃんの命日です。命日には墓参りをしようと思います。
待っててね、おいちゃん。
葬儀についての資料を
ご送付いたします。