なずな日記
2018.07.25
家族が亡くなるというのは大変なことですが、一家の大黒柱である人間がいなくなるというのは、経済的なこともさることながら、手続き上も面倒なことが多いものです。
クレジットカードの抹消手続きもその一つです。
今は昔と違って、クレジットカードはほとんどの人が持っているのではないでしょうか。
以前は、おいちゃんもなずなも、クレジットカードなんて破滅への第一歩と考えていました。しかし、恐る恐る使ってみると、大金を持たなくて済むし、ポイントがたまるのも楽しみになりました。
なずな個人の名義で持っているクレジットカードは、「これを使って支払いをすれば、支払金額が5%オフになりますよ」と言われて作った流通系ですが、おいちゃんの家族会員になっているカードがありました。
なずな個人名義で持っているものはそのまま問題なく使えますが、おいちゃんの家族ということで会員になっているカードは解約しなくてはなりません。
「家族が亡くなったら」のようなハウツウ本には、
「クレジットカードは年会費がかからないように早めに解約しましょう」
などと書いてあります。
それを読んで、なずなは慌てて電話で解約の問い合わせをしたのでした。
電話に出たお姉さんは親切に受け答えしてくれました。現時点でポイントも貯まっているということだったので、その交換も済ませました。
「はい、それではこのお電話で解約の手続きは終わりでございます」
「ありがとうございました」
このカードはメインに使っているもので、さくら葬祭の支払いにもこのカードを使いました。
たかがカード、されどカード、思えばこのカードを使って、おいちゃんとのいろいろな思い出を作ったのでした。海外の様々な国では、銀行で両替するのは面倒なので、このカードを使って、その地のATMで通貨を引き出すことにしていました。旅行の支払いや、ちょっと贅沢をするときにも、いつもこのクレジットカードを使っていたのでした。
楽しい思い出とともに、このクレジットカードがあったのです。おいちゃんの死によって、このカードも死んでしまった…
「おいちゃん…」
kousaku azemichiと、nazuna azemichiと書かれた2枚のカード。たくさんの思い出とともに涙があふれてきました。
それからひと月ほど経ったある日、一枚の封筒が届きました。
見ると、例のカード会社からです。今まではweb上で支払い明細やお知らせを受け取っていたのですが、解約したことによって、webで見ることはできなくなり、代わりに郵送で明細が送られてきたのです。
支払い明細には、支払先とともに金額、そして獲得したポイントも書いてありました。さくら葬祭や、親戚関係の食事代など、かなりの金額でした。だから結構なポイント数が書いてあります。
しかし、送り状に、こんな文言があるではありませんか!
「カード解約後のポイントは交換することはできません」
なんと!しまった!このポイントを交換してから解約すればよかった!
身近な人が亡くなったときのための、あのハウツウ本、全くなっとらん!何が年会費に気を付けよう、だ!年会費とポイント交換の兼ね合いを書いてないとは、何のためのハウツウ本か!
葬儀代や何やかやで、支払金額は数十万円に及びます。そのポイントはかなりのものです。
早まった!悔しい!
おいちゃんを失った悲しみとともに、こんな悔しい思いもするとは!
クレジットカードを解約するときは、年会費の支払日とともに、ポイント交換も念頭に置いて日程を決めましょう。
ポイント交換のできない悔しさで、悲しみが吹っ飛べばいいのですが、そうではなく、悲しみと悔しさが同居するという、かなり痛い思いをしてしまいます。
葬儀についての資料を
ご送付いたします。