なずな日記

2018.08.13

お盆です 怖くはないけれど、ちょっと不思議な話 その一

お盆です 怖くはないけれど、ちょっと不思議な話 その一

お盆の行事をするのは地方によって7月と8月に別れます。東京在住の知り合いは、お盆と言えば7月、と言っていましたが、お盆休みは8月だし、高校野球も8月なので私は8月の方が、お盆という気がします。

 

今回はおいちゃんのことではなく、父のことを語りましょう。

父が亡くなったのはもう十年近く前になります。

 

父が入院した病院で、医師から容体の説明を受けました。父は肺がんで、もう末期の状態なので手術も抗がん剤などの治療もできない、持って2週間程度だろうとの見立てでした。

 

そこで私は医師に言いました。もう治る望みがないのであれば、本人が嫌がるようなら、点滴はしないで欲しい。食事もできる限り食べさせて欲しい。

そして、父は入院して8日であっけなく亡くなりました。

86歳でしたから、そこそこ長生きしたと言えるでしょう。それに当時私は、一通りの癌治療を終えたばかりで、こちらが先かも知れないと思っていたところでした。

ですから、悲しみよりも、父の葬儀をしてあげられる、間に合った、という気持ちの方が大きかったのです。

 

葬儀や役所、銀行などの手続きを終えると、父の住んでいた家を片付けることになりました。年寄りの独り暮らしは荷物が溜まる一方です。業者さんにも来てもらいましたが、すべてを任せる訳には行かず、することは結構ありました。

遺品片付けの間に、妹の携帯が充電切れになりました。

 

「こんな時に…充電器なんか、ないよね」

 

片づけながら、私は父に呼びかけました。

 

「お父さん!充電器ない?」

 

すると引き出しの中から充電器が出てきました。

 

「充電器、あった!」

 

「このタイミングで出て来るなんて。お父さん、いるのかしら?」

 

 

それから数ケ月、日常のことに紛れて、父の死もあまり考えなくなっていきました。

ふと気づくと、もうすぐお盆です。父の新盆です。

お盆の行事、どうしようか。そんなことしなくていいよね。だって、お父さん自身が、お彼岸とかお盆なんて興味なかったもの。しないことにしよう。私はそう決め込みました。

 

ある日、布団を仕舞うので押し入れを開けると、何かが入っている紙袋が目に入りました。

何だろうと広げて中を見ると、さくら葬祭で貰ったろうそく立てやろうそく、お葬式の後飾りが入っています。私が「仏様セット」と呼んでいるものです。

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