なずな日記
2019.07.24
雨ばかり振る毎日に、気分が滅入ってきました。気分転換のため、先日、温泉旅行に行きました。北関東にある某温泉地、チェーン展開している旅館です。一人一部屋だと、かなり割高になるし、そもそも一人という設定のない宿が多いものです。それなのに、この旅館は安い上に、一人でも二人でも同じ料金設定と言うのがうれしいところ。
ここに2泊することにしました。
お手頃価格の宿なので、建物は古いのですが、大きな窓からは山や川が見えます。やっぱり景色がいいと、気分も良くなります。のんびりお風呂に浸かってから食事をするのは、温泉旅行ならではの大きな楽しみです。
家だと作るのも片づけるのも自分でしなければいけないけど、宿ならそれがない。これは普段、している人間にしかわからない解放感ですね。
飲み放題のビールを一杯飲んでから、料理を取りに行きました。いろいろあって迷ってしまいます。取り過ぎないよう、ほんのちょっとずつ、お皿に盛りつけます。おいしかったらまた取りに行って、口に会わないものはこれで終わりに。残したら悪いもの。
食事の質としては、まあまずくはないという程度。いいじゃない?安いんだから。
それに料理は味だけではなく、雰囲気も楽しむもの。そう、ここは温泉。おいちゃんも大好きな温泉。
一人で食事を楽しんでいると、他にもお一人様がちらほらいるのに気づきました。平日なので60代前後より上の人が多いようです。
この中には私と同じように、死別の人もいることでしょう。
食事をし、ビールを飲みながら見ていると、二人以上で食べている人達は、相手を見ているか、あるいは見ていなくても自然と上を向いています。それに対して、お一人様は俯き加減に食べている人が多いのに気づきました。一人の食事は寂しい?
以前、東京の日本橋にある、地元では有名な洋食屋さんに、友人と二人で入ったことがあります。料理を注文して、周りを見渡すと、2、3人の若い女性が一人ランチを楽しんでいるのが見えました。皆さん実に堂々としています。「一人の食事は寂しい」と言う考えは、もう過去のものなのだと感じました。
おいちゃんが亡くなって初めての年末年始の旅行は、一人で過ごすのが寂しくて行ったものです。私の他にも、お一人様の宿泊客がもちろんいましたが、若い人はそれなりにお一人様を楽しんでいるようでした。食事中にスマホはNGと言いますが、一人なら、それもありです。
今思うと、私もこの時は俯き加減に食事をしていたように思います。
年配の人間は、どうしても「一人の食事は味気ないもの」と思いがちです。
しかし、最近は、一人鍋や、一人焼肉の店などができて、自分のペースで食事を楽しむのも良し、という風潮が見られるようになりました。
誰かと一緒の食事はもちろん楽しいものですが、静かに物思う、あるいは純粋に食事を味わうことに専念する、はたまた周りの人を観察する、そんな一人で食べる食事にも、また違った良さがあります。
私を含めた中高年の皆さん!一人の食事も、楽しんで食べましょう。その時は俯かないで。
食事は姿勢よく、上を向いて食べましょう。
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