お伝えしたい『葬儀の知識』
2016.11.26
「アヴェ・マリア」という題名の曲は古くからたくさんの作曲家が作っています。
1.グノー「アヴェ・マリア」(バッハ)
バッハの名曲「平均律クラヴィーア曲集第1巻」第1曲の前奏曲。
この曲を伴奏に使って、その上に美しいメロディーをのせたのがフランスの作曲家グノーです。
バッハが作曲してから何と100年以上もの時を経て、この声楽曲が出来上がったということになります。
のちに、ヴァイオリンやチェロにピアノを合わせる二重奏曲として編曲されています。
歌詞は、ラテン語の祈祷文。冒頭は新約聖書の中のマリアへの「受胎告知」の言葉が綴られています。
シューベルトのアヴェ・マリア、カッチーニのアヴェ・マリアと共に「三大アヴェ・マリア」といわれています。
2.シューベルトの「アヴェ・マリア」
アヴェ・マリアはたくさんの作曲家が作っています。
シューベルトのアヴェ・マリアはその中でも特に「三大アヴェ・マリア」に一つに数えられ、その美しいメロディーは多くの人に親しまれています。
スコットランドの詩人ウォルター・スコットの叙事詩『湖上の美人』をもとに、シューベルトはいくつかの曲を作りました。
物語中、王から追われる貴婦人エレンが聖母マリアに祈りを捧げます。
その祈りの言葉に曲を付けたのが「エレンの歌第3番」というものです。それが次第に「シューベルトのアヴェ・マリア」と呼ばれるようになっていきました。
「アヴェ・マリア」は「めでたし、マリア様」といった意味です。
シューベルトのアヴェ・マリアは、マリア様に祈りを捧げる歌ではありますが、純粋な宗教音楽として作曲されたわけではないことがわかります
3.カッチーニの「アヴェ・マリア」
シューベルトのアヴェ・マリア、グノーのアヴェ・マリアと共に「三大アヴェ・マリア」に数えられるカッチーニのアヴェ・マリア。
カッチーニは16世紀、イタリアで活躍したバロック音楽の作曲家なのですが、実はこの曲、カッチーニが作ったのではないのです。
真の作曲者は20世紀ソ連の作曲家ヴァヴィロフ。
アヴェ・マリアを広めるための演出として、作曲者不詳として発表しました。
彼の死後、演奏家がカッチーニ作曲として録音。近年までカッチーニ作曲とされていました。
歌詞もアヴェ・マリアは通常ラテン語の祈祷文で書かれていますが、この曲はアヴェマリアと繰り返しているだけです。
特に宗教色が強いわけではありませんが、この曲の哀愁をおびた美しさは数あるアヴェ・マリアの中でも群を抜いています。
初めて聴いた人の琴線(きんせん)にも触れ、どのような楽器で演奏しても美しいため、さくら葬祭では数多く取り上げています。
以上3曲が三大アヴェ・マリアと言われています。
「アヴェ・マリア」や「レクイエム」などの題名が
特についていない曲でも
クラッシク音楽、特に古いものほど
根底には「神への祈り、畏敬の念」が流れています。
葬儀についての資料を
ご送付いたします。