お伝えしたい『葬儀の知識』

2017.06.03

ケータリングの仕事

ケータリングの仕事

最近は葬儀施設近くの店舗から、お寿司などの定番はもちろん、オードブルを含む多彩なメニューの中から、希望の日時・場所を指定して注文ができる便利な出前・フード宅配サービスが増えています。

 

しかも、安価でクオリティも高い食材が配達されます。

 

それゆえ葬家から、料理は自分たちで用意したいと言われることがあります。

その理由のほとんどは予算によるところのようです。

 

通常、葬儀の通夜振る舞い・精進落としなどの食事は、葬儀社から専門のケータリング会社に注文をします。

 

ケータリング会社では、通夜振る舞いでは写真のような大皿料理を用意します。

人数の変動に対応できるように寿司とオードブルの組み合わせが多いです。

予算は10名分で3万円~5万円くらいです。

 

 

宅配寿司を頼めば同等のクオリティで1万円から2万円ほど安く済みます。

 

火葬中や初七日後の精進落としはお膳を用意します。

人数分の用意が必要です。

予算は1人分で3千円~5千円くらいです。

 

 

お弁当の配達業者に頼めば1人分千円~3千円ほど安く済みます。

 

 

ご自宅での葬儀ならそれでも良いでしょう。

キッチンも自由に使えて寿司桶などは外に出しておけば回収されます。

ゴミも分別して指定された曜日に出せば済みます。

 

しかし斎場(葬儀場)ではそうはいきません。

 

まず、通夜が始まる前に弔問客の控室を整える必要があります。

斎場(葬儀場)によってはお茶などの用意が無いこともあります。

テーブルクロスや椅子の準備が必要な場合も多いです。

通夜では弔問の方が焼香を終えると通夜振る舞いの席へ移動します。

式場から離れている場合も多いので誘導の係が必要です。

おしぼり、割り箸、小皿、コップなどの用意も必要です。

弔問の方に対応しながらも、通夜が終了するまでに親族席の準備も必要です。

通夜振る舞いが終わった後は会場の閉館時間までに片付けが必要です。

もちろん、ゴミや備品は残してはいけません。

 

翌日の告別式では火葬中か初七日後に精進落としがあります。

火葬中であれば、遺族親族が火葬炉前でお焼香をしている間に素早く準備をします。

 

 

一通りお膳を並べた後に中身の確認、飲み物の準備などをして、すぐに献杯が出来るようにします。

火葬場では、霊柩車が到着しないと休憩室に入れない場合が多いので、迅速な対応が求められます。

献杯の発声後、お膳の蓋を回収して温かいお吸い物や天つゆを出します。

食事が落ち着いた頃にお膳を回収してデザートやお茶を出します。

火葬が終わったら次の利用者のために素早く片付けをします。

 

他にもお寺の住職にお茶出しなども行います。

こうした諸々のサービスを含めたお料理代金が宅配業者より割高なのは当然のことです。

斎場(葬儀場)では稀に宅配業者を利用するご喪家を見かけますが、それによって他の利用者、親戚、斎場職員さんなどに多大な迷惑が掛かっているようです。

 

ケータリングの配膳人は「故人との最後のひと時」を創るお手伝いをさせていただいているのです。

 

故人の好きだった料理を振る舞いたい、これだけはどうしてもメニューに入れたい。

そういったご要望はまず、プロである葬祭ディレクターに相談なさってください。

 

最適の提案をしてくれるはずです。

 

Books

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