お伝えしたい『葬儀の知識』

2017.01.13

檸檬

檸檬

さくら葬祭では大切な人を亡くされた時のお供えものには檸檬をおすすめしています。

 

高村光太郎の詩です。

 

 

高村光太郎は詩人であり彫刻家です。

26歳の時に、欧州の自由で近代的な精神を身につけて帰国。

古い価値観や権威主義と衝突し、強く反発をします。

 

私は高村光太郎の価値観に共感します。

 

詩を書く行為を

「自身の彫刻の純粋さを守るため、

彫刻に文学など他の要素が入り込まないようにするため」

 

と言っていたそうです。

 

女流洋画家 長沼智恵子と出会い3年後の31歳に結婚。

 

智恵子と出会う以前の光太郎の詩は社会や芸術に対する怒り、迷い、苦悩に満ちた詩でした。

 

智恵子と出会い、

彼女の穏やかな理想主義とヒューマニズムに包まれるようになりました。

 

「私はこの世で智恵子にめぐり会った為、彼女の純愛によって

浄化され、以前の退廃生活から救い出される事が出来た」

 

と言っていたそうです。

 

中略

 

智恵子の他界から3年後、30年に及ぶ2人の愛を綴った詩集

「智恵子抄」を刊行。

 

 

 

レモン哀歌(智恵子抄より)

 

そんなにもあなたはレモンを待っていた

かなしく白くあかるい死の床で

私の手からとった一つのレモンを

あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ

トパアズいろの香気が立つ

その数滴の天のものなるレモンの汁は

ぱつとあなたの意識を正常にした

あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ

わたしの手を握るあなたの力の健康さよ

あなたの咽喉に嵐はあるが

かういう命の瀬戸ぎはに

智恵子はもとの智恵子となり

生涯の愛を一瞬にかたむけた

それからひと時

昔山麓でしたやうな深呼吸を一つして

あなたの機関はそれなり止まった

 

写真の前に挿した桜の花かげに

すずしく光るレモンを今日も置かう

 

Books

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