平成23年師走のこと。
上野駅からほど近い病院から
「葬儀をお願いします」
とのご葬儀依頼あり、病院にかけつけました。
病院に到着すると故人の娘様が一人で病室でお待ちでした。
お話を聞くと・・・
お亡くなりになられた方はお父様。
ご家族でラーメン屋さんを経営されていて
お母様、弟様は店を抜けることが出来ないとのことでした。
仕事熱心であった故人様のご希望・意思でもありました。
ご葬儀形式は「火葬式」
ご火葬当日も娘様お一人の立ち合いです。
故人様のお体は、ご火葬当日まで安置施設でのお預かりとなりました。
つまりは・・・
ご家族は娘様をのぞいて再び故人様とお会いすることはないのです。
私が運転する寝台車の助手席に娘様をお乗せして病院を後にしました。
助手席で娘様はたいへんに悲しんでいらっしゃいました。
ご自身のこと、お店に残ったご家族のこと・・・
私 「お店はどちらですか?」
娘様「浅草の○○です」
私 「お店の前にお父様をお連れしましょうか?」
娘様「いいのですか?」「車の距離超過で予算が」
私 「自社の車なので大丈夫ですよ」
娘様「是非、お願いします」
方向を変えて浅草へと向かいました。そしてお店に到着すると・・・
外まで行列ができるラーメン屋さんでした。
3時間くらい待って閉店すると
故人の奥様、息子様、従業員の方々が
寝台車にかけつけて来られました。
お店の駐車場に車を止めて・・・
一人一人最後のお別れをしています。
夜が明けてくる頃・・・
最後に奥様が故人様の手をギュッと握りしめ、今生の別れとなりました。
今でもそのお店は繁盛しています。 店主の理念が受け継がれているのです。
今でも忘れることのできないお手伝いです。
葬儀についての資料を
ご送付いたします。