音楽葬

2015.10.10

「レクイエム」としてのクラシック音楽

「レクイエム」としてのクラシック音楽

「レクイエム」とは『死者のためのミサ曲』です。
死者の安息を願い、天国へ迎え入れられるよう神に祈る音楽です。この言葉はミサの典礼文冒頭の歌詞「requiem(安息を)」…ラテン語…からきています。

 

中世にカトリック教会で奏されるようになった弔いの音楽ですが、現在耳にするレクイエムとしてのクラシック曲の登場は18世紀後半以降となります。

 

この頃になると音楽家が貴族などのパトロンを得て自由に個性を主張するようになり、レクイエムをある特定の人の追悼のために書いたり、初めから演奏会を想定して書いたりすることが多くなりました。

 

18世紀後半にモーツァルトが伯爵から、若くして亡くなった妻への追悼曲を依頼され、レクイエムを作曲します。荘厳な雰囲気のこの曲は最も有名なレクイエムとなっています。

第8曲「ラクリモサ(涙の日)」は涙を流す様を表していると言われていますが、私どもも式の冒頭でたびたび演奏させていただいています。

 

モーツァルトの他フォーレ、ヴェルディの作品は三大レクイエムと言われています。

 

フォーレの作品は、両親が相次いで亡くなったことが作曲の動機としてよく挙げられますが、自身によれば特定の人物や事柄を意識して書いたものではないということです。「怒りの日」を欠いた、ミサには使用できない形式をとっていますが「死は苦しみではなく永遠の至福の喜びであるため」と語っています。

 

ヴェルディのレクイエムは、ヴェルディが最も敬愛していたイタリアの文豪マンゾーニへの追悼として作曲されました。最も華やかなレクイエムと言われています。

 

様々な作曲家により作られたレクイエムも複雑化の一途を辿ります。ベルリオーズ、 ヴェルディやドヴォルザークなどによるレクイエムは教会での演奏には適さず、コンサートホールを演奏の場とするようになります。

 

さらにブラームスはドイツ語の聖書の句を使用し、演奏会用の「ドイツレクイエム」を作曲しました。つまり教会でのミサ曲というよりも作曲者の死生観をレクイエムの典礼文を用いて表現したりするといったものに変わっていったのです。ただ、「ドイツレクイエム」などは母の死がその完成を急がせたということもあり、広い意味でいえばレクイエムと言えるのかもしれません。

 

 

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